感情表現のエチュード(2005)  
 Emortional Expression Etude for 2 performers 
 

 編成:2人の演奏家  演奏時間:6 minutes
 初演日時、場所:2006年11月5日
         渋谷/公演通りクラシックス, 東京  
   



 解説:
 演奏表現と感情表現との関係については、演奏家達の間で大きくふたつの考えがあるようだ。それらが密接な関係を持つという考えと、それらがあまり(あるいは全く)関係がないという考えである。
 この作品では、様々な感情表現をすべて音楽表現という手段に置き換えるゲームを試みている。演奏者は、彼らがどちらの考えを持っているにせよ、演奏の準備段階において作品が要求する課題に従い、自らの個人的な感情を音楽に置き換える作業をしなければならない。こうした演奏者達の密やかな準備は、聴衆には直接関係がないが、そのプロセスさえも作品の重要な一部分であると言える。したがって、聴衆の耳に届く音楽は、演奏者によってかなり違った結果になるはずだ。
 作品は6つの楽章から成る。様々な感情が、極めて厳密なテンポとリズムの中で表現される。感情表現の自由さと、楽譜に書かれたテンポとリズムに従うことの窮屈さの同居が、この作品の大きな特徴のひとつとなっている。
めまぐるしく変化する感情は、ある種の滑稽さを生み出すかもしれない。だが、この作品の受け止め方は、演奏表現と感情表現の関係についての聴き手自身の態度や、演奏者と聴衆が作り出す演奏会場の雰囲気によっても変わるだろう。
小林真理、大井浩明委嘱作品。



 このページで公開している録音は、2008年2月24日に大阪のベルギーフランドルホールで行われた「作曲家集団Port第18回作品展」の時のものです。

 演奏:太田真紀(声)、三宅珠穂(ピアノと声)

 ※途中の笑い声(特に4楽章)は、演奏者によるものではなく、客席からのものです。

 全6楽章です。

 第1楽章

 第2楽章
 
 第3楽章

 第4楽章

 第5楽章

 第6楽章

 
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