糸(1998)  Thread  
 

 編成:3 Clarinets   演奏時間:8 minutes
 初演日時、場所:1999年2月1日、エリザベト音楽大学大学院修了演奏会
         エリザベト音楽大学   
 備考: CD『糸』に収録  

 解説:

 1本の旋律楽器で2声を表現しようとしたことから着想した。3本のクラリネットでは最大6声部の多声的な書法が実現される訳である。
 しかし複雑に絡み合う6声の旋律は、いつも多声的な音響になるとは限らない。時にそれは(多声的と言うよりも)全体でひとつの響きを作っているようにも聴こえるかもしれない。音響は常に、しかし穏やかに変化してゆく。
 ほぼ全体にわたって一貫した同じ書法の中で、聴こえ方の変化を導くこと---例えるなら、騙し絵のように視点を変えることによって同じ絵の中に違ったものを見い出すような---は、この作品の主な興味のひとつとなっている。
 その変化の様子を糸に例えて、このタイトルがつけられた。複数の糸は、もつれたり、ほどけたり、意図的に並べられたりして、その様を変えていく。





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