粘着〜2本のフルートのために〜(1995)  Nenchaku for 2 Flutes 
 

 編成:2 Flutes   演奏時間:3minutes
 初演日時、場所:1997年10月23日、作品発表会  国立音楽大学   
 備考: CD『糸』に収録  

 楽譜が、マザーアース社より好評発売中

 解説:

 この作品は、エリザベト音楽大学3年に在学していた時に作曲したものである。CD「糸」の中で、最も古い作品と言うことができる。
 きわめて短い2つの部分から成り、全体を通して1オクターヴの音域内の12音のみを用いて作曲されている。
 連続する4分音符のスタッカートの動きを中心として、その流れを断ち切る動きが間に挿入されている。その挿入をきっかけとして使われる音の数がひとつずつ減っていき、テンポ、音強も少しずつ変化していく。
 作曲する際には、トランプのいくつかのカードを用いて偶然に音を決め、それを予め決められた規則に従い記譜する方法をとった。
「粘着」というタイトルは、作曲者が作品を発想する際のヒントとして重要な単語であったことから名づけられたが、実際の音楽内容とはなんら関係がない。
 第9回秋吉台国際20世紀音楽セミナーにおけるリスニングセッションをきっかけに、作曲家、佐脇洋の呼びかけで国立音楽大学で初演された。作曲から初演まで、2年半を待った作品であり、また、広島以外の場所で演奏された初めての作品でもある。





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